人気ブログランキング | 話題のタグを見る

癌告知から一年。二年目のはじまり。




 9月15日。去年の9月15日に子宮体癌の告知を受けました。

あれから、一年が経ちました。静かに告知一年にあたる日を迎え、代わり映えしない日常に心より感謝しながら一日を過ごしました。当たり前の日常は、決して当たり前ではありません。日常の中に、身体の不具合や制限が加わったとしても、日常を過ごせる事は、とても幸せな事です。

家で過ごせる事、家でご飯が食べられる事。体調のせいでたまりがちな家事を、好きな音楽を聴きながらよろよろとこなす事、もっとこんな風に生きたりしたいな…と想いをはせながら眠りにつける事。過酷な残暑の中に、秋の気配を感じる事…。身体が辛かろうが、やはり日常は幸せそのものだと思います。

15日という日にちは、私にとってとても不思議な日にち達。良い事も辛い事も、どちらも起こる不思議な日にち。あと、1日も。スピリチュアルに云々という事ではなくて、私が実際経験してきた事です。1日と15日に予測外な色々な事が自分の身に起きてきました。

先日の15日に、「一年経ったんだね…。一年頑張ったねえ…」という言葉を貰ったり、「一年本当に頑張ったね!」と手書きのカードを貰ったり…。皆もそれぞれに色々な問題や悩みを抱えながら、この厳しい時代を生きているとうのに、気にかけて頂いて…。

本当に有り難い事です。支えられて、生きて居ます。

目下、更年期障害と後遺症、そして、癌の再発防止に試行錯誤の日々ではあります。なんとか、前向きに取り組める心持ちを維持している自分にも、ありがとうの言葉を送りたいです。辛くて泣くことや、身体が言うことがきかない事も多々ありますが、それでも私は、今日も生きて居ます。

まだ未熟な私は、癌をギフトだなんて思うまでには全く到達してはいませんが、間違いなく死生観が変わり、物事への取り組み方や、人との接し方が変わってきたのを自分自身感じています。

「人生は、思っていたより短そう。」それは、頭では言葉でなんとなく理解していたものですが、実際死を意識するような癌という病になって、より現実的にそれを感じられるようになりました。

「人生は、一生は、思っていたよりずっと短い。」もちろん、自分の為に生きたいし、一度きりの人生、出来れば何か有意義な事を小さくでも残せたら良いのですが…。それと同じくらい、自分にとって本当に大切な人達を、本当の意味で大切にしながら、残りの人生を生きたい。

人を大切にするとか、思いやりを持ってとか、心配りからの親切を…と癌になる前も気にして生きてきたつもりです。でも、本当の意味で人を大切にするとか、本当の優しさとは?

善行とされるものは、受け取る側に歓迎されない事や時期には、たとえ自分がきっと相手にとって良いことと思っても、身を引く様になりました。声をかけてみて、ありがとうと受け取ってもらえなそうなら、そっと自分は身を引く。そうして、遠くからその人々が幸せでいてくれるよう、心で応援。でも、また私に声を気軽にかけてもらえるよう、優しさの扉はいつも開けておきながら…。

自分が癌になって、同じ事を経験したからこそ、気付けた事です。押しつけになるような善行や、自己満足や自己承認欲求の為の親切は、できればされたくないし、自分もそういう事はしたくないものです。

このようにクリアに思える様になったことは、癌になってからの私の成長した所かもしれません。そういう意味では、癌のおかげで少し成長した自分が心の中に居たりします。

身体のハンディ、年齢的エネルギー不足と、やりたい事とのバランスが今の課題です。道半ばで路線変更したり、直視するのが辛い事も多いけれど、ちゃんと現実と向き合って生きているので、◎。

焦らない。自分のやっている事と自分を信じる。目に見える成果は少なくとも、成長は積み重ねられているはず。

こちらのブログを今画面越しで読んで下さっている方々へも、感謝申し上げます。私が撮った写真を見て頂く事、私が活けたお花を見て頂く事、そして、私が書いた文章を読んで頂く事、それが今の私の力と励みになっています。元気と勇気の源にもなっています。

私に関わる全ての方々に感謝申し上げます。
いつも本当にありがとうございます。

癌になって二年生の私も、皆様どうぞよろしくお願いします。 :-) 


by mellow-stuff | 2024-09-17 22:04 | 子宮体癌